こんにちは、今回はいま開発者界隈で話題のオープンソースAI「OpenManus」についてご紹介します。
https://github.com/mannaandpoem/OpenManus
「なんかすごそうだけど、実際なにができるの?」という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。私自身も最初は、「マルチエージェント? 一体何それ?」状態でした。
ですが、実際に触れてみると、これが想像以上にいろんなことに使えそうなんです。
そこでこの記事では、OpenManusの特徴をざっくり分かりやすくまとめていきたいと思います!
OpenManusってなに?
OpenManusは、中国発の自律型AI「Manus」の機能をオープンソースで再現したフレームワークです。
これまで招待制だったManusを、みんなが自由に触れる形にしてくれたのがOpenManusの大きなポイント。
GitHubに公開されてからすぐに人気が爆発して、あっという間に多数のスター(ブックマーク)を獲得しています。
最大の特徴は「マルチエージェント」
OpenManusの中核コンセプトは「複数のAIエージェントが協力してタスクを進める」仕組みです。
たとえば、ひとつの複雑な仕事を任せたときに、どこにアクセスして、どう情報をまとめて、どんな形式で回答を返すのか。
それを、
役割分担されたAIエージェント同士が連携して実行してくれます。
例えば、「調査担当」「分析担当」「管理担当」みたいなチームがAIの中にあるイメージですね。
これのおかげで、より高度なタスクにも対応できるのが大きなメリットです。
どんなことができるの?
1. 情報収集〜レポート作成の自動化
たとえば「ウェブ上で指定のニュースサイトやSNSを調べて、キーワードに関連する情報を集め、レポートを作ってほしい」というような依頼。
従来なら人手でコツコツ調べてまとめないといけませんよね。
でもOpenManusなら、
- “ブラウザ操作エージェント”がニュースを検索
- “分析エージェント”がテキストを整理・要約
- “作成エージェント”が最終レポートを作成
…といった流れを自動的にやってくれます。
これは「業務効率化」の観点でもかなり便利。
「ネットリサーチから始まる事務作業」が多い人ほど恩恵が大きいかもしれません。
2. 複雑なタスクのステップ分解
いくつかのステップに分けて考えないといけない仕事も、OpenManusはお手のもの。
「このタスクは最初に〇〇を調べて、次に△△を検証して…最後にまとめる必要があるよね」
というのをエージェントたちが自動で計画して実行してくれるんです。
プログラム的に言うと、
エージェント同士がチャットして最適な手順を決める、といった感じ。
担当する部分が明確に分かれているので、一人の大きなAIに頼むよりもスムーズに動いてくれます。
3. 外部ツールやコードの実行まで
OpenManusはただチャットで回答するだけじゃありません。
- ブラウザを自動操作してサイトを確認
- ローカルファイルを作成・編集
- 実行環境でコードを書いて動かして、結果を再びエージェントに渡す
ということまで可能です。
つまり、場合によっては「研究用のPythonスクリプトを書いて実行、その結果をPDFレポートにまとめる」といった一連のフローを自動化できるわけですね。
これはコーディングのテストやデバッグ支援なんかにも応用できそうです。
具体的にどんなサービスが作れそう?
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ニュース/SNSリサーチツール
→ トレンドワードを自動で追いかけて、分析結果をレポートする
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AI秘書アプリ
→ スケジュール管理、メール文面の作成、Slackの対応など、日常業務をお任せ
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SEO分析・レポート自動作成サービス
→ 競合サイトを調べて、キーワードランキングを比較・グラフ化
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旅行プラン自動作成
→ ホテル・観光地・レストランを検索して、日程表をひとまとめに
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投資アシスタント
→ 複数の金融サイトのニュースをチェックし、銘柄別にまとめてコメント
などなど、
「何かを調べて・まとめて・アウトプットする作業」は基本、OpenManusが得意とするところです。
最近流行りの「チャットボット」よりも一歩進んで、
実際の操作やファイル生成・編集までやってくれるのがポイントですね。
OpenManusとChatGPT Deep Researchの比較
1. 主な機能の違い
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OpenManus: 招待制の「Manus」AIエージェントを模して作られたオープンソースの
汎用AIエージェントです。ユーザーから与えられた目標に対して、必要な手順を自律的に計画・実行し、最終結果を出力します。
ファイル処理・データ分析・コード生成から
コンテンツ制作まで幅広いタスクを自動化でき、たとえば旅行プランの作成、株式データの分析、履歴書の分類、簡易なゲーム開発など多様な作業をこなします。
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ChatGPT Deep Research: OpenAIがChatGPTに搭載した
自動調査特化のエージェント機能です。インターネット上から関連情報を
検索・解釈・分析し、質問に対する詳細なレポートを生成します (
I Tried ChatGPT's Deep Research. Its Reports Are Worth Waiting for. - Business Insider)。複数のサイトや資料を跨いだ
マルチステップのリサーチを行い、人間が数時間かけて行う調査を数十分で成し遂げる点が特徴です (
I Tried ChatGPT's Deep Research. Its Reports Are Worth Waiting for. - Business Insider)。出力されるレポートには
出典(引用)が明示されており、情報源を裏付けながら内容を確認できます。
2. 技術的な違い
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OpenManus: 完全オープンソースで提供され、
マルチエージェント型のアーキテクチャに基づいています。MetaGPTプロジェクトのフレームワークを土台に、ブラウザによるWebスクレイピングやコード実行など
各種ツールチェーンを組み込み、多段階のタスク処理を実現しています。設定ファイルでOpenAIやAnthropicなど複数のLLM(大規模言語モデル)のAPIキーを登録すれば、タスクに応じて
任意のモデルを切替・活用できる柔軟性があります。
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ChatGPT Deep Research: OpenAIの専用モデルである
GPT-4ベースの「o3」モデル上で動作し、Web閲覧やデータ分析に最適化された設計になっています。エージェントは
強化学習による制御を用いて検索クエリの発行から情報要約までを自動で繰り返し、必要に応じて内部でPythonコードを実行し表やグラフなどの分析結果を生成します。Deep ResearchはOpenAIのクラウド環境内で完結するクローズドなシステムであり、ユーザーはChatGPTのインターフェース上でその思考過程(訪問サイトや要約状況)をサイドバーで確認できるようになっています。
3. 適用範囲の違い
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OpenManus:
汎用的なAIアシスタントとして、非常に広範なユースケースに対応できます。オープンソースで公開されているため環境を用意すれば誰でも
自由に利用・改良でき、日常業務の自動化から専門的な作業まで幅広く活用可能です。たとえば旅行計画の作成や履歴書の仕分けといった
日常的なタスクの代行から、プログラミングやデータ解析のような
実践的作業までこなせます。さらに、テキストレポートだけでなく
リッチな成果物(ドキュメント、グラフ付きのダッシュボード、簡易なウェブサイト、動画プレゼン資料など)を生成することも可能で、仕事や生活の様々な場面で役立つ柔軟性があります。
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ChatGPT Deep Research:
高度な知識集約型の調査に特化しており、金融の市場調査・投資分析、科学技術の文献レビュー、法律・政策のケーススタディ、ビジネスにおける商品比較などで威力を発揮します。複雑な背景知識の整理や複数ソースにまたがる情報収集が必要な場面で有効であり、ニッチで直感に反しがちな情報でも数多くのサイトを横断して発見できます。一方、
簡易な質問や即答が欲しいケースには適しておらず、そのような場合は従来のChatGPT検索機能や通常のGPT応答で十分です。Deep Researchは処理に時間と計算資源を要するため、現在はChatGPT Plus/Proなど限られた利用者向けに提供され、Plusプランでは月10回までなど
利用回数にも上限があります。
4. 実際の活用事例の比較
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OpenManus: 2025年3月に公開されるやGitHub上で数千のスターを獲得し、開発者コミュニティで活発に試用されています。例えば、
SEOレポート作成の自動化にOpenManusを用い、ウェブサイトの検索順位やコンテンツを分析して詳細な最適化レポートを生成するといった使われ方が報告されています。また、
旅行プランニングでは複数の旅行情報サイトからデータを収集して旅程表や案内資料を自動作成したり、
金融分析では株価データを収集してグラフ付きの分析レポートを出力するといった応用も想定されています。今後は有志による強化学習を用いた性能向上や、誰でも使えるオンラインサービス化(OpenManus Online)も進められており、オープンソースコミュニティ発のプロジェクトとして様々なプロダクトでの活用が期待されています。
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ChatGPT Deep Research: 現在はChatGPTの機能として
知的労働者による利用事例が増え始めています。実際にジャーナリストがDeep Researchを使って
米国の関税の歴史と物価への影響を調査したところ、追加の条件(対象期間や分析の具体度)を確認したうえで約8分間で関連年表やデータを含む詳細なレポートが生成されました。他にも、都市の歴史について膨大な資料から通史をまとめ上げたり、文学作品のレビューを包括的に整理するといったテーマでも有用性が示されています (
First Impressions of ChatGPT's Deep Research - Sam Edelstein)。このようにDeep Researchは
ChatGPTのリサーチ助手として、専門家による長時間の下調べを短時間で代替するツールとして実際のプロジェクトや記事作成で活用され始めています (
I Tried ChatGPT's Deep Research. Its Reports Are Worth Waiting for. - Business Insider)。
まとめ
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OpenManusとは:「自律型AI Manのオープンソース版」
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マルチエージェントが魅力:複数のAIが連携してより複雑なタスクを自動化
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ファイル操作やブラウザ操作も可能:リサーチ・分析・レポート作成までワンストップ
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こんなサービス作れそう:AIリサーチツール、秘書アプリ、SEO分析、投資アシスタント…
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導入ハードルはそこまで高くない:GitHubで誰でも使える
OpenManusはまだ新しいプロジェクトゆえに、「とりあえず動かしてみたらエラーが出た」ということもあるかもしれません。
でも、そのぶんコミュニティも盛り上がっていて、質問しやすい雰囲気があるように感じます。
何より、従来のAIフレームワークとはちょっと違う「マルチエージェントアプローチ」を試せるのは面白いところ。
もし「いつもの定型作業をもっと楽にしたい」「AIアシスタントサービスを作りたい」と考えているなら、ぜひOpenManusをチェックしてみてください。
あなたのビジネスやプロダクトアイデアをぐっと加速してくれるかもしれませんよ!