ディープリサーチ検証 Genspark VS ChatGPT VS Perplexity

ディープリサーチ検証 Genspark VS ChatGPT VS Perplexity

2025年3月31日
TAKUJI OGAWA

はじめに:AI検索ツールで欲しいファイラー探しに挑戦

日々の経費管理でたまっていく紙の領収書…。IT系ビジネスマンである私(仮称)は、これら領収書をスマートに整理できる物理的なファイラー(紙の領収書を収納・管理する文具)を探すことにしました。ところが、インターネット検索では広告や情報の氾濫でなかなかベストな解決策に辿り着けないこともしばしば。そこで最近話題のAI搭載リサーチツールを使って、この課題に挑戦してみることにしました。 今回検証するのは GensparkChatGPTPerplexity という3つのAIリサーチツールです。それぞれ検索のアプローチや特徴が異なると言われています (AI検索エンジンの詳細比較 - Genspark)。ストーリー仕立てで、私が実際に3ツールを使い比べた体験をレポートします。果たして一番実用的だったのはどれでしょうか? ビジネスカジュアルな視点で、楽しくも真剣に比較してみました。

シナリオ:領収書整理グッズを検索する

今回のお題は、「紙の領収書を一元管理できる物理的なファイラー」を見つけること。つまりデジタル化やアプリではなく、紙のまま領収書を整理保存するための文具やファイルを探す検索タスクです。 私が各AIツールに投げかけたのは、次のような少し曖昧で口語的な問いかけでした: - 「領収書を管理するファイラーなどを一覧にしてまとめて教えてください」 - 「もらった領収書を一元管理保存したいので保存に適したもの」 - 「物理的なアイテムです。オンラインやデータ化するっていう意味ではないです。普通の紙のものをうまく保存できるのをまとめて」 最初はぼんやりと「領収書を管理するファイラーを教えて」と尋ね、途中で「一元管理したい」「物理的なアイテムで」と追加説明していく流れです。Perplexityなどは質問してくれないので一度に全部のプロンプトをいれる必要がありますましたが、各AIがどのように理解し対応するかを見る狙いがあります。 それでは、いよいよ各ツールの登場です。

Gensparkで検索してみた:AI検索エンジンの実力は?

まず最初に試したのは Genspark。Gensparkは日本語対応のAI検索エンジンで、ユーザーの入力に基づきリアルタイムにカスタム検索ページ(Sparkpage)を生成するのが特徴です。広告のないクリーンな画面で、複数の情報源から統合された回答を提示してくれるとの触れ込み。期待が高まります。

Gensparkの回答とその変遷

![](/assets/n914d59d6a1bc_1743391927-GgtI9L2PwT73d4KYiCXnEey8.png) 私はGensparkにログインし、さっそく最初の問い「領収書を管理するファイラーなどを一覧にしてまとめて教えてください」と入力してみました。返ってきたのは、検索結果をまとめた一枚のレポート風ページ。しかし眺めてみると、どうも様子がおかしいのです。確かに「領収書 管理 保存」といったキーワードには反応していますが、肝心の物理的なファイラーについての情報が見当たらず、代わりに領収書管理のソフトウェアや電子保存に関する話題が中心になっていました…。どうやら「ファイラー」をデジタルのファイル管理ソフトと解釈してしまったようで、求める回答から少しズレています。 「物理的なアイテムです。オンラインやデータ化ではないです」と念を押して検索しました。これでようやくGensparkも意図を掴んだのか、ページには領収書用のファイルやホルダーの具体的な商品名がいくつか登場しました。例えばコクヨの「領収書&明細ファイル(ノビータ)A4サイズ」やキングジムの「スキットマン領収書ファイル」といった具合です。私が欲しかった紙の領収書を整理する文具の一覧に近い情報が出揃い、目的の答えに到達できました。 ![](/assets/n914d59d6a1bc_1743392001-3gb4dAY6EZaGVc2DF5pultHq.png)

Gensparkの使い勝手と印象

Gensparkを使ってみた率直な感想は、「情報は豊富だが、こちらの意図を正しく伝えるのに工夫が要る」ということです。AIエージェントが包括的なページを生成してくれるのは頼もしいのですが、最初のクエリでは解釈がズレてしまい、見当違いの方向(電子管理の提案)に進みかけました。ユーザーが追加で説明することで徐々に軌道修正できましたが、その間に関連のない情報まで目に入ってしまう点は否めません。 総じてGensparkは検索エンジンに近い感覚で、幅広い情報を一度に得たいときには力を発揮しそうです。一方で、今回のように質問が曖昧だと解釈違いによる回答のずれが生じやすいと感じました。

ChatGPTで検索してみた:会話から生まれるベストアンサー

次に挑戦したのは ChatGPT。言わずと知れた対話型AIで、自然な日本語のやり取りと高度な文章生成能力が持ち味です (AI検索エンジンの詳細比較 - Genspark)。私は日頃からChatGPTをメモ代わりに使うこともあるので、その柔軟な会話力には信頼を置いています。

ChatGPTの回答は的確だった?

同じようにChatGPTにも最初の質問「領収書を管理するファイラーなどを一覧にしてまとめて教えてください」を投げてみました。すると、ChatGPTは一番欲しい情報に近い具体的な回答を返してくれました。 ![](/assets/n914d59d6a1bc_1743392519-QetLl2oNuTcHwC1PV0dGja6R.png) ...といった具合です。驚いたのは、最初から私の意図を正しく読み取って「デジタルではなく紙の領収書を整理する文具」終始していたことでした。ChatGPTは曖昧な問いに対しても文脈からユーザーの真意を汲み取る能力が高いようです。実際この回答には、デジタル管理の話は一切出てきません。私が補足説明をする前から、「紙の領収書をまとめるファイルが知りたいんだな」と理解して提案してくれたのです。

ChatGPTの使い勝手と印象

ChatGPTの強みは何と言っても会話の理解力です。こちらの質問が多少不完全でも、前後の文脈や一般常識から意図を汲み取ってくれるため、ユーザーは細かな検索キーワードを考え込まなくてもよい安心感があります。今回も、私が本当は「紙の領収書を入れるファイル」を探していると察して、的確に答えを導いてくれました。 情報の実用性という点でも、ChatGPTの答えはある程度満足のいくものでした。何より、一つの回答に情報が完結しているため追加の検索をしなくても概要を把握できるのが助かりました。全体としてChatGPTは最もストレスなく目的の答えに辿り着けたツールと言えるでしょう。

Perplexityで検索してみた:情報ソースを示すリサーチ志向AI

最後に試したのは Perplexity。Perplexityは検索エンジン的なAIアシスタントで、ウェブ検索から最新情報を収集し、出典付きで回答するスタイルが特徴です。また関連質問を提案してくれる機能もあり、ユーザーが調べたいことを深掘りしやすいと言われます 。リサーチのお供に良さそうですが、今回のケースではどうでしょうか。

Perplexityの回答とその変遷

まず、Perplexityに「領収書を管理するファイラーを一覧で…」と尋ねました。返答は箇条書きでまとまっており、一見するとChatGPTと似たようなポイントを押さえた回答が表示されました。ただし内容を詳しく見ると、「紙の領収書を整理するための物理的なツール」として以下のような提案が並んでいました: ![](/assets/n914d59d6a1bc_1743392711-2L94XmazbT1NKqiDwvs6j7lC.png) 「違う違う、欲しいのはそういうが言うようではなく商品のおすすめなんだ」と思いながら、具体的な商品を探してください」と追加の依頼をすると勝手にデジタル関係に飛んでまとめ始めてしまいました。 ![ Perplexity は ユーザー側にも多少の工夫が求められ完全に曖昧なまま放置すると期待と違う回答になる可能性があります。加えて、答えを得るまでに何度かリンクを辿ったり結果を精査する場面もあり、即答性という点ではChatGPTほどスムーズではありませんでした。 もっとも、最新の情報やソースの信頼性確認が重要なケースでは、Perplexityのスタイルは非常に有用です。今回も実際、「領収書ファイルのおすすめランキング」といった最新記事へのアクセスができたおかげで、市場に出回っている具体的アイテムを知ることができました。検索経路の透明性と情報の網羅性では他の二者に勝っており、調査のお供として頼りになる印象です。

3ツール比較まとめ:一番実用的なのは?

それでは、Genspark・ChatGPT・Perplexityの特徴をユーザー視点で比較し、どのツールが今回のような検索タスクで最も実用的だったかを評価しましょう。

各AIの応答品質と特徴

- Genspark:幅広い情報を統合して提示してくれるが、質問の意図を正確に伝えないと的外れな結果に繋がりやすい。検索結果のまとめページ(Sparkpage)は情報量が多く、ユーザー自身で必要な部分を抜き出す必要がある。ソースリンクは含まれるものの、情報の出所が直感的に分かりづらい場面も。 - ChatGPT:対話型ならではの高い解釈力で、曖昧な質問でも文脈からユーザーの真意を汲み取り最適な回答を生成。情報の的確さ・実用性は群を抜いており、一度の返答で疑問点がほぼ解消されることも。出典表示はないが、その分やり取りのシンプルさとスピードが光る。 - Perplexity:AIによる回答に常に出典が提示されるため、検索経路の透明性が高く信頼性の確認が容易 (〖AI検索エンジン〗Gensprakとは?使い方、PerplexityAIとの違いを解説! | AI総合研究所)。関連質問提案でユーザーの曖昧な意図にも対応しようとするが、リサーチ志向が強く回答精度を上げるにはユーザーの追質問やリンク確認が必要。網羅的な情報収集には優れるが、一問一答の手軽さではChatGPTに一歩譲る。

最も頼りになるのはChatGPT

以上の比較から、今回の「紙の領収書整理グッズ」を探すタスクでは、ChatGPTが最も的確かつ実用的な回答を提供してくれたと言えます。最小限の入力でも意図を正しく汲み取り、欲しい情報を過不足なく教えてくれる点で他をリードしました。Perplexityは情報源提示や最新データの面で優秀ですが、リサーチツールとしてユーザー側にも能動的な姿勢が求められます。またGensparkは検索エンジンベースのアプローチゆえに質問文次第で回答にズレが生じやすく、今回は真価を発揮しきれませんでした。

おわりに:使い分けのすすめ

3つのAIリサーチツールを試した結果、ChatGPTがもっとも実用的であるという傾向が見られました。一方で、Perplexityは調査の過程を重視する人向け、Gensparkは網羅的な情報収集や専門分野の深掘りに独自の強みがあるでしょう。 ちなみに領収書を管理するファイラー探すならAmazonで「領収書ファイル」で検索したほうが一番早いです。